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経済産業省中小企業IT経営力大賞認定(2011年)支援事例:有限会社原田左官工業様

業界ではめずらしいWebサイトによる販促活動で、新規問い合わせが年間60件増加~有限会社原田左官工業所~

 

■導入の背景と目的

IT化に取り組んだ2006年度の売上は年間8億程度で、やや上昇傾向にありました。しかし、業界全体は徐々に低迷しており、個人のリフォームや店舗工事が減り始めていたのです。主要な左官業務のモルタルやセメント工事ではライバルが増え、少ない案件の獲得競争が激化していました。事業を存続するためには他社との差別化を図り、顧客を囲い込む必要があります。低価格化も進んでおり、将来さらに脅威が拡大すると考え、IT経営による対策を始めました。

 

■IT化の概要

□同社専用の工事原価管理システムを構築

工事を見える化するため、工事原価管理システムを開発しました。材料の発注や原価、人工の管理や作業指示などを一括で管理する仕組です。40名の職人と協力業者の稼働や、現場の工事状況を、本社からでも正確に把握できるようになりました。経営者や管理スタッフ、現場の職人が同じ情報を共有することで、業務が効率化しています。

□メールやグループウェアの活用

総勢40名の職人と多数の現場を個別に管理するため、メールとグループウェアを活用しています。毎日午後3時には、翌日の現場と作業進捗を知らせるメールが携帯電話に配信され、職人は出先でも確認が可能です。わざわざ本社に出向いて状況をチェックする必要がなくなり、負担を減らすことができました。パソコンではなく携帯電話を使うため、高齢の職人が抵抗なく活用できるのもポイントです。

□新規開拓に向けたWebサイトの整備

新規顧客を取り込むために、企業ホームページを構築しました。施工事例や素材のサンプルなど写真を多く載せ、作業内容がイメージしやすい作りを目指しています。外部に委託せず社内で運用しているため、常に新鮮な情報の提供が可能です。効果的な宣伝の結果、雑誌やテレビから取材を受けるまでになりました。

 

■IT経営推進における取組み

同社の情報システム責任者は、ホームページの作成や工事原価管理システムの運用など、社内のIT化を一括して取り仕切ってきました。「財団法人東京都しごと財団 シルバー人材センター」からITの知識がある人材を派遣してもらい、効率的にシステムの構築や改良を重ねています。

 

■導入効果

左官業ではめずらしい本格的な企業ホームページを構築し、新規顧客を開拓しました。施主からデザイン事務所や施工業者を通して受注する従来の商流ではなく、エンドユーザーから直接問い合わせを受ける機会が増えたため、商談成立の割合が向上しました。新規問い合わせも年間60件増加し、800万円にものぼる大型案件の受注にもつながっています。また、社内では工事原価管理システムの開発により、収支や人工の計算が素早くできるようになりました。

 

引用:http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it-keiei/itjirei/case2011/case_haradasakan.html

 

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