新しい物流システムの構築により、最短10時間の納品を実現~サンインテルネット株式会社~
■導入の背景と目的
1992年にバブルが崩壊してから、神奈川県の産業構造はドーナツ化現象が始まりました。古くからあるメーカーが県外に移転したり、県の中央から外周部に拠点を移す企業が増え、空いた土地には住宅が建設されたのです。「製造の県」から「消費の県」に変化していく中、同社は物流業として生き抜くための方策を検討しました。その結果、これまでは主にメーカーの物流を請け負っていましたが、増加する消費者を相手とする小売業など、消費者向けの物流へシフトすることを決定したのです。しかし、後発組の同社が新規顧客を獲得するためには、新たなフィールドの開発が必要でした。それが中小スーパー向けの3温度帯一括納品システムであり特売と定番を区分して納品できるシステムなど、付加価値がある物流サービスの提供でした。
■IT化の概要
中小スーパー向け物流システム開発の後、外食産業向けにASPで利用できる受発注管理システムを構築しました。顧客の入荷データと同社の出荷・在庫情報が一括で管理でき、業務が効率化。システムの導入によって、伝票を見ながら手作業での入荷データ入力から事前に送られてきた入荷リストと現品を照合し、エンターキーを押すだけで処理が完了するようになりました。納品書や請求書など、顧客別の出荷データも一元化しています。
また、中小スーパー向け物流システムの発展系として3温度帯一括共同商品管理センターを構築しました。中小スーパー5社の共同商品センターとして機能し、国土交通省が定める「物流効率化法」の認可を受けています。納品車両などの固定費を削減できたため、環境負荷の軽減にも役立ちました。
■IT経営推進における取組み
情報システム室と営業企画部が一丸となって、IT経営を推進しました。経営者にもIT化による事業転換が必須だという強い思いがあったため、スムーズに資金を調達できたのがポイントです。実際の開発には、民間のITコンサルタントを活用。専門家の適切な指導を受けながら、同社に合ったシステムの構築を進めました。
■導入効果
受発注システムの整備により、業務が効率化しました。顧客の入荷予定を事前に確認できるようになったため、出荷の事務作業が減っています。リードタイムの短縮にもつながり、午前4時などに発注を受けても、当日の午後2時には納品が可能になりました。在庫の無駄がなくなって売上が増えたため、事業を拡大。冷凍・冷蔵・常温の製品すべてがカバーできる「3温度帯一括共同商品管理センター」を開設しました。通常はそれぞれの卸売から商品を仕入れなければならない中小食品スーパーに向けて、一括した物流サービスを提供することで、顧客の満足度を向上しています。
引用:http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it-keiei/itjirei/case2011/case_san-interu.html
弊社ではIT経営に関するコンサルティング、PM・PMO、講演・講師・研修サービスをご提供しております。お気軽にご相談頂ければと思います。
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