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経済産業省中小企業IT経営力大賞優秀賞ITコーディネータ協会会長賞受賞(2011年)支援事例:東海物産株式会社様

顧客情報のシステム化で、受発注管理の人件費を50%削減~東海物産株式会社~

 

■導入の背景と目的

「食の安心・安全」への要求が年々高まる昨今、食品の流通経路や加工履歴などのトレーサビリティ管理は、食品メーカーとして不可欠になっています。顧客から商品情報について問い合わせを受けることも多く、より迅速な回答が求められるようになっていました。一方で消費者のニーズも多様化しており、季節や流行に応じた調味料をリサーチして、適切なタイミングで市場に投入する必要があります。製品データの蓄積や管理を効率化するためには、システムの整備が急務でした。

 

 

■IT化の概要

□基幹システムを2段階で構築

2000年に、受発注業務と売上データベースがまとめて管理できる第一次基幹システムを開発しました。2010年にはそれを基に、仕入れや原価、財務・会計など社内の情報を一元化する第二次基幹システムを構築。顧客情報の二重入力や、従来のシステムを縦断してデータを探す手間が削減できました。同社は基本的に受注生産方式ですが、要求されるリードタイムが短く、注文を受けてから製造していると間に合わない場合があります。顧客の満足度を向上させるためには、ニーズを先読みし、適正な量の在庫を常に保持しておかなければなりません。基幹システムによる効率的な仕入れ管理で、顧客への素早い対応が実現。在庫過多を防ぎ、キャッシュフローの改善にもつながっています。

□グループウェアの活用で情報共有を促進

グループウェアで日報やスケジュールを共有することで、社内の情報伝達を効率化しました。規格書や工程図、作業依頼書なども電子化し、FAX送信や手作業による書類確認の手間を省いています。システム上で書類の作成や申請を進められるようになったため、上長の承認もスムーズになり、実作業への着手までが1~2日間短縮されました。また、各工場の工程表や試作品の顧客評価情報など、従来は各部門ごとに管理していたデータを全社員が閲覧できるようになり、全体の業務スピードが向上しています。

 

■IT経営推進における取組み

第一次基幹システムの構築はITベンダーに委託しましたが、第二次基幹システムの開発は前回の経験や要望を活かし、社内にプロジェクトチームを立ち上げました。常務をプロジェクトマネージャーとして、各業務のリーダーを収集。外部のITコーディネーターからアドバイスを得ることで、ITベンダーの作業にも適切な要望や指示を伝えられています。

 

■導入効果

受発注業務のシステム化に伴って、手書きで作成していた帳票類を電子化しました。これまでは入力作業に8名の人員が必要でしたが、現在は4名で同様の量を処理できています。また、受発注システムと連携して仕入れや原価なども管理できるように、追って第二次システムを導入。手作業が大幅に削減され、月額で20万円程度の人件費をカットできました。また、商品のデータを一元化したことで、流通経路や生産の過程などのトレーサビリティ管理にもつながり、顧客からの問い合わせに素早く対応できるようになっています。従来は回答に至るまで平均8時間ほどかかっていましたが、ほぼ即時での対応が実現しました。

 

引用:http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it-keiei/itjirei/case2011/case_tokaibsn.html

 

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